藤田紘一郎先生を偲んで
東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎先生が、5月14日、 誤嚥性肺炎のため東京都内の病院で逝去されたとの報に接し、驚きと悲しみの気持ちでいっぱいです。3月末に事務所にお伺いして、打合せをさせていただいたのが先生と直接お会いした最後でした。5月末にはZOOMでの講演会をお願いさせていただいておりましたが、それも叶わぬこととなってしまってとても残念です。
2019年にお会いしてから、協会主催の講演会で2度、その後知り合いの団体役員から依頼を受けての講演会の橋渡し役として2度ばかりご一緒いたしました。とても気さくな先生で、いつも楽しく打合せをさせてもらっていました。
また時折「協会の運営はいかがですか」と声をかけてくださり、さまざま試行錯誤していた私にとってはとても励まされることもありました。
先生の「清潔はビョーキだ」という「日本人の過剰な清潔志向が免疫力を低下させる」という主張は、今でこそ日本で受け入れられていますが、当初はかなりのバッシングにあったとのことをおっしゃっていました。それでも志を貫いてこられた苦労もされてきていたので、私が四苦八苦しているのをご覧になって、声をかけてくださったのかと思っています。
健康寿命72才と言われる日本にあって、81歳まで現役の医師として現場に向かい、また多くの著作を残し、たくさんの方たちに影響を与えてこられました。私も影響を受けた一人です。お会いできたことに心よりの感謝を申し上げ、そして先生の安らかなる眠りをお祈り致します。