八木晟薬学博士の研究を振り返る

八木先生の研究の業績と私が八木先生から教えていただいた事を少しまとめてお知らせします。今回は第1回です。

八木先生に「なぜアロエは何千年もの間、人類と共にあったのでしょうか?」とお伺いしたら、「人間は様々な菌やウィルスから身を守り生き延びるために、人間の外部にある力を取り入れたきたのじゃよ」とおっしゃいました。以下は私の推察です。

人類の歴史を振り返ると、私たち自身の遺伝子が急速に変化して病原体に対抗してきたわけではありません。むしろ、人類は「外部の力」を利用することで生き延びてきたと言えます。

例えば、
・火を使って食べ物を加熱し、病原菌を減らした。
・植物を薬として利用した。
・発酵食品を食べ、微生物の力を利用した。
・傷口に植物を当てたり、煎じて飲んだりした。
・近代では抗生物質やワクチンを開発した。

これらはすべて、「自分の免疫だけでは対応しきれないものを、自然界から借りてきた」と考えることができます。その意味では、アロエもその一つです。

アロエには、古代から火傷・傷の手当て/便秘/胃腸の不調/皮膚疾患

などに利用されてきた長い歴史があります。人々は有効成分の名前を知らなくても、「使うと調子が良い」という経験を何世代にもわたって積み重ねてきました。

「人類は、自らの免疫や生理機能だけに頼るのではなく、植物や微生物など自然界に存在する生理活性物質を利用することで、生存の可能性を高めてきた。」ということになるでしょう。

そしてアロエが長く利用されてきた大切な理由が他にもあります。それはアロエの栽培のしやすさ、保存性、使いやすさ、ということです。

皆さんがご存じの薬草と言えば、「高麗人参」ですが、強い日差しや過湿に弱いため、非常に病害虫が発生しやすい作物です。栽培するためには大変気を遣う植物であると聞いたことがあります。

八木先生から「九州大学時代、薬用植物の研究をする時に、容易にたくさん原料が手に入ったのがアロエ(キダチアロエ)だった。海岸沿いに結構生えていたから」とお伺いしたことがあります。

身近にこんなに役立つものがあったというのはとても不思議です。